平成26年11月14日、Blue Light Up Conference in GIFU(岐阜開催) 一般演題コンペにおいて、西田承平薬剤師が『Blue Light Up賞』を受賞し、優勝しました。今回の受賞の研究テーマは「2型糖尿病患者における退院後血糖コントロール悪化のリスク要因解析」です。
2型糖尿病患者における退院後血糖コントロール悪化のリスク要因解析
【目的】糖尿病治療の目標は、適切な血糖コントロールにより、患者のQOLを保つことである。しかし、それができず、病状が悪化する患者は多い。そこで、退院6か月後にHbA1c 7%未満未達成の患者について要因解析を行った。また、薬剤師の指導効果について検討した。
【方法】2010年1月〜2012年3月に岐阜大学病院の糖尿病代謝内科および免疫・内分泌内科に入院した2型糖尿病患者を対象とし、後ろ向きに解析を行った。
【結果・考察】HbA1c 7%未満未達成の要因として「ALB3.8g/dL未満」、「インスリン処方あり」、「全薬剤数6種類以上」、「糖尿病薬2種類以上」、「1日の服薬回数5回以上」「糖尿病歴10年以上」「腎症3期以上」「網膜症あり」「神経症あり」の9要因が挙げられた。また、入院中に薬剤師による指導がないことも要因として確認された。要因の保有数とHbA1c 7%未満達成率には負の相関が認められたため、入院時に要因を把握することで指導の効率化につながると考えられる。また、要因の保有数が多い患者において、指導群では、退院6か月後のHbA1c 7%未満達成率が高い傾向があり、再入院までの期間は有意に延長していた。このことから、高リスクの患者に対して薬剤師が積極的に服薬指導することの有用性について示唆された。

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